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DPRB Mix 008 Wataru Abeのライブセット・Interviewが届いた

投稿日:2019年5月18日 更新日:

心臓の奥底をえぐり取るような太いキックとアブノーマルなシンセを叩きつける強力なミックスがWataru Abeから届いた。ライブテクノプロジェクト“Distra”を始め、世界のクラブシーンを体験してきたWataru Abeだからこそ語ってくれたインタビューとミックスは必聴です。

1. まずはWataru Abeについてプロフィール紹介していただけますか?

Distra a.k.a Wataru Abe
東京生まれ。

バークリー音楽大学にてMax/MSPをはじめとする音楽プログラミング言語での音楽表現に傾倒する。

2013年11月に邂逅(Kaico/Japan)よりリリースされた初のソロアルバム「Phenomena」では、それまで嗜好していたリリカルな旋律やAtmosphericな空気感といったリズム以外の音楽要素を排除し、音楽衝動の原点であるノイズ・グリッチ・ビートのみによる、硬質かつ高揚感あふれる世界観を作り出している。

2016年よりMax/MSPを使用したライブテクノプロジェクト“Distra”を始動。2017年にElectric PressureよりEP「ShDI」(Vinyl/Digital)をリリース等、ヨーロッパを中心にリリースを重ねる。2018年にはアテネにてBlush Responseとの2ヘッドライナーを努める。

2.好きなDJ/Producerは?

テクノ関連ですと、思いつくままにKeith Carnal、Paula Temple、Perc、Rraph、Umwelt、Oscar Mulero、Karenn、Surgeon、Codex Empire、Samuel Kerridge、Bas Mooy、Dadub、Orphx、Emptyset、Pan Sonic他。(順不同)
ライブセットのアーティストが基本的には好きで、クリーンな音像よりもどこか歪んでいたりLo-fiさや“いなたさ”を感じられたりする音に更に惹かれます。

3.どちらに住まれていますか?現状のクラブシーンはどうですか?

現在東京郊外在住です。

シーンの現状としては、ここ数年で急激に音楽ファンが現場からいなくなったのを体感しています。ハード/インダストリアルテクノ界隈では、そこそこ有名な海外アーティストの来日イベントでもなかなか人が入らなくなっているのを目の当たりにしていますし、私自身はDJコミュニティではなく、ライブアーティストの輪に属していると思うのですが、そちらも残念ながらここ数年はあまり良いムードでは無いと感じています。

日本のアンダーグラウンドのシーンは現在総じてそういった傾向にあると思いますが、音楽のクオリティが下がったわけでは無く、“楽曲制作者ではない”音楽ファンと音楽の現場を繋ぐ媒体が無くなってしまっているのが大きな原因だと個人的には思います。

海外では変わらずハード・インダストリアルテクノは人気があるようですね。私の初めてのVinyl EP 「ShDI」(www.beatport.com/release/shdi-e-p…をリリースしてくれたElectric Pressure(Greece)に呼ばれて去年アテネでライブをして来たのですが、お客さんの熱気・入り共に日本とは比べ物にならなかったです。

尚、音源リリースの話はスコットランド・アイルランドやスペイン、オランダ等、EUのレーベルから声がかかることが多いので、ヨーロッパの空気を感じるために近いうちにツアーをしに行きたいと思っています。

4.今後のホットなスケジュールは?

まだ未公開ですが東京と大阪でいくつかイベントに呼ばれています。また、去年スコットランドのDuellist(Decoy/OBSCUUR)を招いて「Crypt」というイベントを主催したのですが、今年どこかでまた行いたいなと思っています。

リリース関係は、今のところ海外からのリリースが5本予定されています。

5.好きな音楽を教えてください。

① 「ディストピア・アブストラクト・ノイズ・ビート」といったキーワードを感じる音楽。

今更ですが、Blade Runner 2049でのHans Zimmer & Benjamin Wallfischは素晴らしかった。
IMAXを生かし切る音響クリエイションだったと思います。
Blade Runner 2049 Original Motion Picture Soundtrack

②ライブパフォーマンスの良いアーティスト。
特に、クラブのサウンドシステムという音空間をよく把握したアーティストのパフォーマンス。

Paula Templeのライブセットは、大きな流れも質感もかなり影響を受けていると思います。
Paula Temple – Time Warp 2018 Live set

Karenn Boiler Room London Live Set

他にも、身近な日本人アーティストのライブで感動することは良くあります。音源とライブパフォーマンスはまた別物なのが面白いところです。

③ エキゾチシズム・オリエンタリズムを満たしてくれる音楽。
音階に微分音が使われていたり、モノフォニー主体の音楽構造となっていたりするアラブ諸国の伝統音楽は素晴らしいものが多いです。



ちなみに、去年12月にOBSCUURよりリリースされた私のEP「Byzantine Blood」は、ディストピア感とオリエンタリズムを自分なりにビートミュージックに昇華させたアルバムです。

6.今回のライブセットについて。使用機材も含め教えてください。

使用機材はMacbook Airで、Max/MSPのみを使用しています。Max/MSPのライブセットはここ5~6年くらい改築・増築を繰り返してビルドアップしてきたものです。楽曲制作・ライブ共に同じパッチとなり、ライブ時は各楽曲をXMLデータ(JSON)で読み込みながら、大体10~11個の自作モジュールをリアルタイムで変化させています。楽曲制作時も同様にリアルタイムで変化させながら各音のパラアウトを録音し、それをStudio Oneに取り込んでさらに編集・MIXしています。

www.facebook.com/distratechno/
www.watarupop.com/

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Wataru Abe soundcloud



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木下貴博

大阪在住のDJ/プロデューサー99LettersはTakahiro Kinoshitaのソロプロジェクト。これまで海外のVinyl・カセットレーベルを中心にEPをリリースしてきた。2015年は、Serie Limitee Recordsより"Serie Limitee Hors-Serie 005 EP"、SEAGRAVEから"12Mirrors Album"をリリース。2016年にはDalmata Danielより"Untold Future EP"をリリースした。 インダストリアルでドローンな作風から、温かみのあるシンセとややサイケでなんとも心地よいハウストラックは、幅広いロウサウンド・テクノファンにもサポートされる。 2018年には過去リリースされた "Lazer Beam"を、Len Fakiが自身のレーベル"LF RMX"に収録し、Lazer Beam (Len Faki Hardspace Mix)として
リリース。Chris Liebing , Dubfire, Adam Beyerがフェスでプレイをする等話題になる。

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